陥入爪とは爪の一部が何らかの原因(不適切な爪切り・外傷・爪水虫等)により、爪の一部が自分の皮膚に刺さった状態を指します。
簡単な消炎治療で治らない場合や、何度も同じ様な症状を繰り返したり、長期間わずかな痛みではありますが同じ症状が続く場合は根治的な治療が必要となります。
根治的な治療である手術療法は、楔状切除術という方法が一般的でした。しかしこの方法は、術後の痛みも強く、両足の場合は入院が必要になることもしばしばです。
また最近では,非観血的(手術をしない)治療として、テーピング・人工爪の装着・形状記憶合金・ワイヤーによる矯正、シリコンチューブ挿入によるガター法などが多く行われていますが、装着中の痛みの残存・長期の改善時間・再発の観点では根治術という概念とはほど遠いものであります。
1930年代のイギリスの論文に基づき、改良を行なったフェノール法の論文を1994年に皮膚科分野では初めて発表しました。この方法は従来爪の産生組織を切除していたかわりに、フェノールという薬品を用いて爪の産生組織を化学的に腐蝕させる方法です。痛みが少なく術後翌日よりの日常生活が妨げられることはほとんどありません